2023/9/10
ずっと行きたかった弥山川ゴルジュ。行ったことのある人の話や記録を見て、とにかくスケールの大きいところなんだなという印象があった。
日帰りなのは驚いたが、わんこさんの誘いを受けて、今回遡行することができた。
噂に違わぬスケール。というか、弥山川ゴルジュは私の貧相な想像を遥かに凌駕する代物だった、、、。
下が一ノ滝、上が二ノ滝。
弥山川ゴルジュ、その入口である。
朝4時に熊渡の駐車場を出発し、一般登山道関西最難関と言われる双門ルートを使ってここまでアプローチする。5時くらい着。
まず、一ノ滝の左岸にあるチムニーを私がリード。
非常に快適に登れるが、狭い。
一ノ滝落口から二ノ滝。
ここは、左岸の壁をダイスケリードで登る。
簡単だが乾きヌメリには注意。
一ノ滝、二ノ滝を越えて、三ノ滝。
美しい水と端正な形が美しい。
右岸にチムニーがあるので、そこを登る。
チムニーの中腹から。反対にも似たようなチムニーがあるが、かなり大きい。
中腹からはエイドで登る。
カムと残置ハーケンは使えそうで使えないので、縦リスハーケンに全体重をかける。
神経を使う作業。
三ノ滝上。
遠くには大CS滝が見えている。
大CS滝ではないCS滝。
充分クソでかい。
左岸の壁を登る。
傾斜が結構立っているのと、一箇所手が無いところもあり、なかなか悪い。
A0も交えて突破。
巨岩がどれも巨岩すぎて、ワンポイントでショルダーやエイドなどを駆使しなければならず、時間がかかる。
もたついているわけではないが、なかなか前に進まない。
滝を越え、巨岩を越え、ついに大CS滝へ。
この狭い谷間にちょうどタイミング良く日が差し込む。
神々しいその姿を前に、全員奇声を発していた。
CSの範疇を越えた大きさ。
最早、隕石。
CS滝内部。
あの穴に向かってわんこさんがリード。
興奮したわんこさんは、異常なスピードで登り、突破。
穴からこんにちは。
滝上から。
大CS滝から程なくして、双門の滝とその前衛滝が見えて一同歓喜。
これは前衛滝。
そして、双門の滝。
弥山川の顔にふさわしい、堂々たる佇まい。
極細の水路を落ちる滝。
こんな形状の滝、見たことがない。
13時過ぎに到着し、休憩を挟んで登攀開始。
滝中腹のテラスまでは各々フリーで登り、そこからロープを出す。
私がリードで登る。
瀑流を横断するときは吹っ飛ばされそうで気合いが必要。
ワイドクラックを登ろうかとも思ったが、水線が魅力的だったので、そちらを選択。
じわじわステミングしたり、水圧でヘルメットが飛ばされそうになりながら登る。
水路内に自分が引いたロープが真っ直ぐ伸びていて、それが水しぶきで揺れているのが心地良い。
登攀完了。
水の音で意思疎通が取れない中、ロープの引き合いでなんとなくコミュニケーションを取ってフォローを迎える。
フォローも水流に呑まれてしまうので、安易に落ちることはできない。
回収、お疲れ様。
充実の落口写真。
双門の滝のリードを譲ってくれて、ありがとうございました。
三枯滝。
ここで遡行終了し、双門ルートで下山。
下山途中にある崖上テラスから双門の滝。
遠くから見るとまったく登れる気はしない。
上から見下ろすと、遡行した谷の深さと側壁の高さがダイレクトに伝わって来る。
感慨深い。
これまた下山途中に見えたところ。
普段は水が流れていないらしいが、双門の滝上に出たあとから降る雨で双門の滝みたいに。
紀伊半島のヤバさを感じた。
強い雨に打たれながら下山し、駐車場に着いたのは19時。
朝4時から丸一日、最後は土砂降りのヘッデン下山。少しでももたついていれば、双門の滝の内部でミンチにされていたかもしれないと思うとゾッとするが、一生思い出に残る沢登りになった。
ダイソンさん、抜け駆けしてすんません。誘ってくれたらいつでもビレイ回収業務、請負います。
メンバー:ワンコさん、ダイスケ、リュウスケ(記)