LIFE LOG(紀伊半島彷徨クラブ)

紀 伊 半 島 彷 徨 ク ラ ブ

紀伊半島を中心に谷底を彷徨う

中央アルプス カモシカの滝

中アの日陰

 

 

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 日曜の朝、菅の台バスセンターは、澄んだ青空と色づいた山々に囲まれていた。千畳敷カールの紅葉のピークはおそらくもう過ぎてしまっているが、それでも観光客からハイカーまで、たくさんの人がしらび平行きのバスを待っていた。その中に、沢ヤが3人。

 バスに乗り込んで、しらび平まで向かう。しらび平に着くと、他の人たちがロープウェイに向かう中、我々は今来た車道を下っていく。目指すは、バスで来る途中にチラりとしか見えない、集中してないとチラりとも見えない滝、カモシカの滝だ。

 カモシカの滝は大田切川は中御所谷の右岸支流にある滝で、滝ヤさんのブログでも遠望の写真しか見つからない滝だ。10mもない滝でもそのために写真を撮りにいく滝ヤさんがいるのに、50m以上はあるカモシカの滝の直下から撮られた写真が無いのは不思議だと思った。

 30分くらい車道を降りていると、対岸に目当ての滝が見えてくる。10月末だから当たり前だが、今日は寒くて、中央アルプスでの沢登りのシーズンが完全に終わっているのを感じるが、滝を見るとテンションが上がる。心なしか、着ているウェットが発熱した気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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北御所登山口としらび平の間くらいのところ。

ガードレールの間から適当なところで沢へと降りて、滝のある支流へと入る。支流に入ってすぐに10mくらいの滝が出てくる。その滝の奥にもいくつか滝が懸かっているのが見えて、車道から見えた滝も奥に見えた。カモシカの滝の下へは簡単にはいけなさそうだ。滝屋さんの写真が無いのにも納得だ。

最初の滝は巻いたが、これがかなり悪かった。岩はボロボロで、その上に落ち葉と泥が薄くのっかっている状態で安定したホールドはほとんどない。ワンコさんは落ちかけていたし、私も行ける自信がなくてロープを出してもらったりした。

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懸垂で沢へ復帰すると、また滝が現れる。

ワンコさんのリードで直登するが、これまたボロい。最初のトラバースするところが悪かった。

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カモシカの滝の登攀が今回の目的なので、巻ける滝は巻いて進む。

そして、車道から見えていたところまで辿り着いた。ここで地図を確認すると、どうやらこの滝は支流の滝で、本流は左に曲がっているらしい。登れそうだが、目的はカモシカの滝なので、本流に戻る。
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本流を進むとカモシカの滝。

よくよく考えれば、これがカモシカの滝なのか支流の方がカモシカの滝なのかはよくわからないが、今回は本流のこの滝を登った。
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1ピッチ目は私がリード。階段状で簡単なクライミングだが、やはりボロく、そしてヌメるので気を遣う。少しシャワーもあって体が冷える。でも、このときはシャワーもそこまで寒くないなと思った。
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1ピッチ目の終了点からすぐ上にも滝がある。ここはワンコさんがリード。小さい滝で難しくない。しかし、水流のど真ん中を登ったのでさすがに寒すぎた。

手の感覚が無いとかを超えて、手がパンパンに腫れた感じがしてちょっと痛かった。
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さらに上にも滝がある。登れそうだが、登攀ラインが水流の真ん中にしか見当たらない。

巻きも他のラインも厳しそうだ。
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ここで心が折れたので、戻る。

この滝はカモシカの滝じゃないということにして、無事カモシカの滝の登攀完了。

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巻いて懸垂、巻いて懸垂を繰り返して沢を下降して、車道に戻った。
北御所登山口のバス停まで下りて、バスを待つ間に着替えようと思っていたら、すぐにバスが来た。汚くて臭い沢装備をガチャガチャ言わせながらそのままバスに乗る。

 

 

 

 

 肩身の狭い思いで菅の台バスセンターまで行き、他の乗客が降りるのを待っていると、山ガールにしっかりと睨まれた。早く温泉に入って暖まりたいと思った。
 ハイカーと沢ヤ。千畳敷カールとカモシカの滝。光と影。彷徨クラブは後者。暖かい時期に、引き返してしまった先にも行きたいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/10/29(日)

メンバー:ワンコさん、ユウタさん、リュウスケ(記)