2024/2/15
再三、計画しては様々な障害に阻まれて、行けずじまいになっていた、布滝沢にやっと行くことができました。
しかし、今になって思えば、"布滝には行くな。"という警告だったのか、とも思います。
新豊根ダム公園手前の駐車スペースから、通行止めの道を1時間ほど歩いて布滝沢へと向かいます。
なんとも言えないどんよりした天気で、昼頃からは雨が降るらしいです。
布滝沢出合。
今日は日差しが弱く、奥の滝が妖しげに見えます。
出合から見えていた滝。
左岸から容易に巻きます。
この沢にはナメ滝が多く懸かっていました。
CS滝。
抜けが悪そうなので、ロープを出して登ります。
ここはアブミ使用でサクッと突破。
15m滝。
ロープ無しで直登しようとしましたが、案外悪く、詰まってしまいました。
ワンコさんに巻いてもらい、助けてもらってしまいました。
更に進むと、布滝の前衛滝。
木々の間から巨大な布滝が見えています。
前衛滝を超えると、布滝。
見えてない部分も合わせて、三段からなる巨瀑です。
水線は登れそうに無いので、横の草付きを登ります。
1ピッチ目はワンコさんリード。
出だしは傾斜の強い草付きがいやらしく、上部は支点が取りづらいスラブ。
途中からは雨も降りだして、困難なピッチでした。
2ピッチ目は私のリードで最上段の取り付きまでロープを伸ばし、そこから3ピッチ目。
続けて私がリードで登ります。
見た目は悪そうですが、特に難しいところはなく、抜け口までサクサク進みましたが、最後に足を滑らせてフォール。
簡単だからと適当に取っていた支点はほとんど弾けて、唯一残った浅打ちのハーケンで止まりました。
しかし、落下距離は凄まじく、高速スライダーを経て、1ピッチ目に登るのを避けた滝の水線中腹まで放り出されました。
恐怖よりも、無慈悲なナメ滝スライダーは、こんなにも制動が効かないのかということに驚きました。
落ちながら、妙に冷静に、「軌道をズラして釜へ、、、。」なんて考えていましたが、そんな浅はかな考えは置き去りにされて、気付いたら宙吊りになっていました。
幸い目立った怪我は無く、自力で登り返してからワンコさんとリードを交代。
ビレイをしながら、「あのハーケンが無かったら、、、。」とか考えると寒気がしました。
ワンコさんはしっかり支点を極めながら完登。
フォローで改めて登ると、いくらでも強固な支点は取れたし、登攀的にも特に難しくなく、ただただ自分の慢心を情けなく思いました。
帰りは右岸の作業道を使って無事下山。
なまじ経験を積んで、天狗になっていた自分には、ちょうど良い薬になったと思います。
過去に、早く忘れてしまいたいと願って、本当に忘れてしまった、過ちや恥はいくつもありますが、今回の事は忘れずに胸中に刻んでおこうと思います。
落ちたときにぶつけた肘が、一夜明けると昨日より痛くなっていて、病院に行くと、傷口にばい菌が入って化膿してしまったとのこと。
骨は無事でしたが、患部がジンジン痛みます。しっかり反省して、この名誉でもなんでもない負傷を治し、早く沢に行きたいと思う、今日この頃です。
メンバー:ワンコさん、リュウスケ(記)