ユメ、マボロシ
もうすぐ12月。沢登りシーズンでないのは明白。
こんなときは、ルート本に載ってる、シーズン真っ只中にはなかなか行く候補に挙がらないような、日帰りの簡単な沢に行くのがちょうどいい。
それに、今日の夜は、大阪わらじの会60周年納山祭に出席する。やはり、このくらいがちょうどいい。
色々な沢登りの形があるが、沢登りを楽しむ方法は、沢に入ることだ。入渓すること。
入渓さえすればどんな沢でも大抵は楽しい。だから、今日も入渓する。
東俣谷へは、宮川の支流である大熊谷と並走している林道を使って、出合いまで車で行ける。アプローチが快適この上ない。
出合いの目の前にある駐車地に行くと、2台の車と人がいた。しかも、そこには男性2人と女性2人がいたのだが、女性のふくらはぎには沢登り用のスパッツ。この時期に別パーティに遭遇するとは、、、。
この記事を書いている前日に、私のアルバイト先にも厳冬期でも沢に行く人が来店したし、アツい沢ヤたちの灯火が燃え始めているのかもしれない。
駐車地は風が強くて寒かったので、さっさと着替えて先に出発した。
サクサク進む。形の良い滝がいくつも出てくる。
不動滝に到着。
思っていたよりも大きい滝で、形は私好み。
紅葉も綺麗。気付けば体は寒くない。天気も良い。キモチェい。
夢幻滝。
さっきまで薄暗かった谷底に日が差して、あたりを照らす。滝の下部には、虹。
夢幻滝を超えたあとは、特に何もないものかと思っていたが、立派な滝がいくつか出てきて飽きさせない。
当初は夢幻滝の少し先までで帰る予定だったが、結局奥の二俣まで進んだ。
谷が曲がりくねっているから、「そこの先まで見てから」と言って進んでしまう。
奥の二俣からは来た道を帰った。
夢幻滝を通ったときに、別パーティの方々がちょうど到着していた。
少し話を聞くと、今日が沢登り初体験の女性2人を連れて来たらしい。
しかし、彼女らには沢登りなんかしてほしくないと思った。
それは、飼っているハムスターを決して檻から出さずに、生涯をそこで終えさせるのと同じだ。自分の管理が届く範囲で愛でたいのだ。
買ってきた花を花瓶から取り上げて、窓から放り投げて、物知り顔で、
「可愛い子には旅を。」などと言う阿呆な輩はいまい。
それくらい可愛いらしい子らだった。男2人の方が羨ましい限りだ。
私たちが夢幻滝をあとにする頃、男の1人が三脚と一眼で、可愛い女の子と虹が懸かる夢幻滝を撮影していた。
夢幻滝、虹、カワイイ子、ユメ、マボロシ。
2023/11/25
メンバー:ワンコさん、リュウスケ(記)